画像解析が「判断の拠り所」となり、プロセス開発を加速させる

オリヅルセラピューティクス株式会社様

オリヅルセラピューティクス ロゴ

取り組み前の課題

従来の測定法から変更するにあたり、自社でAI解析を用いた測定法を構築するにはリソースや技術的ハードルが高いと感じていました。また、凝集体に関する数値データは取得できていたものの、それらの値が細胞の状態や最終的な結果と十分に紐づけられておらず、データを活かした評価基準の高度化にも課題がありました。

取り組みの決め手

「解析チームを1人雇う感覚で任せてほしい」という伴走型の提案が、リソース不足の現状に合致しました。単なるサイズ測定に留まらない、画像解析の専門家としての深い知見に基づき、多様なパラメーターを抽出し、データの解釈までを支援する体制への期待が採用の決め手となりました。

取り組み後の効果

評価が定量化されることで、開発メンバー間で客観的な評価基準が共有できるようになり、プロセス開発のさらなるスピード向上が見込まれます。将来的には、熟練者が経験的に捉えている「微細な質感の変化」や「わずかな違和感」を数値化することで、技術の組織的な共有や、早期の不良予測による大幅なコスト削減を目指しています。

インタビュー

主観的な評価から、データに基づいた客観的な意思決定へ iPS細胞を用いた再生医療等製品の開発・製造をリードするオリヅルセラピューティクス株式会社。同社では、細胞の評価において、従来の測定手法の代替と、熟練者の主観に頼らない「客観的な指標」の確立を模索していました。専門的な解析リソースが限られる中で、どのようにAI解析を導入し、開発のスピードアップに繋げているのかを伺いました。

Q1:導入前に抱えていた課題について教えてください。

AI活用のハードルの高さと、客観的な評価基準の明確化です。 これまで用いていた凝集体サイズ測定系の代替が必要になったことがきっかけでした。自社でAIに深層学習をさせて解析レシピを組み上げることも検討しましたが、日々の業務を進める中で、専門ソフトを使いこなしながら高度な解析環境を整備するには、相応のリソースと専門性が必要だと感じていました。また、細胞の良し悪しを「見た目の感覚」で判断していたため、他者を納得させる客観的な裏付けがなく、判断そのものにストレスを感じることもありました。画像にはサイズ以外にも密度や輝度など多くの情報があるはずなのに、それを抽出して活用する手段がないことが課題でした。

Q2:当社のソリューションを採用いただいた「決め手」は何でしたか?

「解析チームを1人雇う」ような伴走型の提案と、画像解析の専門性です。 自社でAIの最適化を行う余裕がない中で、「解析チームを1人雇ったと思ってお任せください」という提案をいただいたことが、当時のニーズに合致しました。 単にサイズを測るだけでなく、画像から得られる様々なパラメーターを提示してくれる専門知識の深さも信頼に繋がりました。専門家に伴走してもらうことで限られた社内リソースを補いながらより高度で実用的な解析ができると考えました。

認識画像

位相差顕微鏡画像から、凝集体状の細胞領域のみを認識した。

Q3:導入によって、どのような効果や変化を期待されていますか?

「感覚」を「数字」に置き換えることで、開発の精度とスピードを上げたいと考えています。 これまで経験に基づいて行っていた評価が定量的な「数字」として示されるようになれば、開発に携わるメンバー間で認識を共有しやすくなり、検討や判断もよりスムーズになると考えています。 また、試した条件に対するアウトプットが数字で明確に見えるようになれば、条件の採用・不採用の判断がしやすくなり、プロセス開発のサイクルも高速化できるはずです。将来的には、早い段階で細胞の状態を予測することで、高価な培地を使う前に不良バッチを見極めるといった判断を可能にし、コスト削減にも繋げていきたいですね。

同等性評価モデル

最終的な品質評価で「良品」となった細胞の培養初期「Day1」の画像データを用いて、同等性評価モデルを構築した。 同等性評価モデルに各データを適用した結果を示しており、閾値により良品/不良品の早期判別が可能であることが示された。

Q4:今後の展望についてお聞かせください。

現場の「暗黙知」を数値化し、誰もが共有できる指標を作りたいです。 評価が定量化されることで、開発に携わるメンバーへの説明がスムーズになることで、お互いに共通言語として活用できるようになり、プロセス開発のスピード向上が見込まれます。将来的には、熟練者が経験的に捉えている微細な変化を数値化することで、早期の不良予測によるコスト削減や、技術の共有化を目指しています。

相関図

各培養日に取得した画像から算出した同等性スコア(横軸)と、非心筋細胞マーカーAのフローサイトメトリー測定値(縦軸)との相関を解析した。Day16以降のフローサイトメトリー測定値と、培養途中の各時点の同等性スコアとの間に相関がみられ、培養初期であるDay1においても高い相関が確認された。この結果から、培養初期の画像データが将来の品質を予測するサロゲートマーカーとして有用であることが示された。

記事一覧へ戻る

関連事例

quastella_logo_white

株式会社Quastella
〒451-0042
愛知県名古屋市西区那古野2-14-1 なごのキャンパス1階

Quastella Inc.
Nagono Campus 1F, 2-14-1, Nagono, Nishi-ku, Nagoya, Aichi, 451-0042 Japan

Copyright © Quastella Inc. All Rights Reserved.